「現代の農業および医療技術はたしかにすごい。
われわれは遺伝子を植物に挿入して、
即座に進化を起こすことができるし、
ロボット化されたトラクターを広大な農場で働かせることもできる。
眼球をレーザー光線で削って眼鏡とおさらばすることもできれば、
人から人へ臓器を移植することもできる。

しかし私たちは、微生物生態系の住民同士の関係を、
やっと解き明かしはじめたばかりだ。
リンネを連れてきて、
そこにいるのは何か、
それを何と呼ぶのかなどとやっているところなのだ。

驚きが待ちかまえていることは間違いない。
実際、私たちが本書を書き上げようとしていたころ、
人工甘味料がマウスや人間のブドウ糖の代謝を変えて、
腸内細菌バランス異常を引き起こすことを、
新しい研究が証明した。

いわゆるダイエット飲料に砂糖の代わりに使われている甘味料には、
砂糖によく似た点があるらしい。
たいていの人と同じように、私たちもカロリーゼロの人工甘味料は、
体重を気にする人にとって役に立つものだと思っていた。
しかし、人間の微生物相はそれが砂糖によく似ていると判断するらしく、
人工甘味料は二型糖尿病と肥満への裏口なのではないかという疑問が残る。
そして腸と共に生きるという考えは新たな意味を担う。

メチニコフの言う大腸のゴミ箱に棲むものたちが、
人間の感情をつかさどる神経伝達物質セロトニンを作れるなどと、
誰が考えただろう。

私たちの腸内細菌が、
神経系と情報伝達をしているというだけでなく、
人間の感情の状態は腸内細菌に
──そしてそれが作りだす代謝産物のスペクトルに──
影響されうるのだ。

自然の隠れた半分が、私たちにこのような変化球を投げてきても、
たぶんそれほど驚くまでもないのかもしれない。
生態学者のあいだで有名な偶像的人物、
アルド・レオポルドは、
オオカミを撲滅することが名案だと考えられたとき、
南西部の植生に何が起きたかを見ていた。
シカの個体数が爆発的に増えて森を食べつくした。
土地は丸裸になり、シカの餌が足りなくなった。
銃を撃ちたくてたまらない牧場主や野生生物担当の政府職員は、
肉食獣を撃てば土壌が浸食され、
シカが餓死するなどとは考えてもみなかった。」

—『土と内臓』デイビッド・モントゴメリー, アン・ビクレー著

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清川村から畑を借りた。
山が近いため、
猪、鹿、猿などが農作物を食べてしまう。
その為、50年前、茶畑に変えた農家さんも。。

理想論で竹で柵を作ろうと思ったが、
すぐ壊されそう。。

獣害という言葉が正しいのかわからないが、
美味しいタイミングがわかっているので、
収穫間際に食べらてしまう。

電気柵を作るか思案中。。。

つくること つなぐこと つむぐこと