町づくりのヒントを求める気持ちと、カレー好きとしての興味とを半分ずつ混ぜ合わせ、ずっと気になっていた新潟県三条市にある三条スパイス研究所をようやく訪れた。
暮らしの調合を掲げるそのお店は、街の人達の交流の場としてとても機能しているようだった。
お店の方に見せていただいたコンセプトをまとめた資料に書かれていた「出番の創出」という言葉に、何かとても大切なことを感じた。

誰だったか、ロックスターの名言だったか。
「おれは曲を作って歌を歌っただけ。それを名曲にしたのは聴いてくれたみんなだ」というような言葉を思い出す。
お店もきっと同じで、お店を名店にするのは、そこに訪れるお客さんたちだ。
しかしよく考えてみると(当然だが)、聴きたくなるようないい曲があり、行きたくなるようないいお店が先にあるからこそ、人はそこに魅了される。
新しいことは、たった一人の情熱からしか始まらない。

つくること つなぐこと つむぐこと